統合失調症 闘病記

統合失調症5年目の私が、さまざまな悩みや乗り越えるコツなどをお届けします

統合失調症の患者さんのご家族がするべき4つのこと

家族みんなで統合失調症を乗り切ろう

患者さんの家族がすべき4つのこと

統合失調症を理解する

統合失調症のご家族を希望を持ってサポートするためには、統合失調症という病気を正しく理解しておくことが大切です。 

間違った知識で間違った接し方をしてしまうと、患者さんにとってもご家族にとっても辛い状況になってしまいます。

まずは、ご家族の方が病気を正しく理解し、希望を持って患者さんに接することが大切です。

対応の仕方を身に付ける

妄想や幻聴

患者さんが妄想的になっている時には、妄想に対して否定も肯定もしないようにしてください。

妄想を否定をすると、患者さんは「分かってもらえない」と孤立してしまいます。

また、肯定をすると、患者さんは妄想を確信してしまいます。

大切なのは、患者さんのありのままの状態を受け止めつつ、話を聞いてあげることだと思います。

妄想や幻聴が悪化していると感じられた場合は、すぐに主治医に連絡しましょう。

そして、話を聞いたあとでできればほかの話題に切り替えると良いかもしれません。

ほかの話題に移っても、患者さんの妄想は依然として残っていますが、患者さんの思考と妄想との間に距離を作ることができます。

暴力、暴れる時

患者さんが興奮して暴力的になってしまう場合は、主治医の先生に相談し、より鎮静効果の高いお薬に変えてもらった方が良いでしょう。

また、日頃からコミュニケーションを取り、フラストレーションが溜まらないようにしておきましょう。

身の危険を感じるほど暴力がひどい時は、患者さんから離れて逃げましょう。病院の緊急外来や入院も検討しましょう。

ひきこもり

統合失調症の患者さんがひきこもりになってしまう原因は、幻聴や妄想の世界に取り込まれてしまっている場合と、陰性症状が強く、外出する意欲がわかないという場合とがあります。

どちらの場合も、無理矢理連れ出したりしない方が良いと思います。

まずは、お薬による治療を優先させ、回復するのをじっくりと待ちましょう。

時間はかかりますが、患者さんはゆっくりと回復していきます。

デイケアを利用する

患者さんの体調が回復してきたら、デイケアの利用を検討しましょう。日中患者さんがデイケアを利用することで、患者さんとご家族の距離を適度に保つことができます。ご家族の方も自分の時間を確保することができ、お互いに自立することにつながります。

また、患者さんに対してデイケアスタッフが一人つくので、ご家族の方も日常生活の悩みを相談したりアドバイスを受けたりすることができます。

家族会に参加する

統合失調症の患者さんのご家族の精神的負担はとても大きいものです。不安、悲しみ、怒り、絶望・・・。

ご家族の方は、日常的にさまざまな感情に巻き込まれ、孤立してしまいがちです。患者さんも助けが必要ですが、ご家族もまた、ケアが必要なのです。同じ悩みを持つご家族との交流は、患者さんのご家族にとって大きな力になります。

全国には、さまざまな家族会があります。ぜひ、家族会を見つけて参加されてみてください。

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私が家族と共に病気を乗り越えた体験談

「統合失調症」という病名を告知された時、真っ先に浮かんだのは、母がショックを受けるのではないかということでした。

しかし、母は病名を告知される以前と変わらず、私を全面的に受け止めてくれました。そのことが、私にとって何よりの安心感に繋がったと思います。

統合失調症を乗り越える上で、家族との関係はとても大切なものだと思うので、この記事では、私自身の経験を振り返ってみたいと思います。統合失調症の患者さんのご家族の方にとって、何かご参考になることがあれば幸いです。

入院前の発症時

私は妄想の症状が一番ひどかった時、ひとり暮らしをしていた私の家に母が訪ねてきても、「自分の母はすでに死んでいて、この人は本物の母ではない」と思い込んでいました。

母がどんなに私の妄想を否定しても、私の妄想はさらに酷くなるばかりでした。きっと母も辛かっただろうと思います。

妄想が悪化してしまうと、周囲からそれをどんなに否定されても、自分自身で修正することが難しくなってしまいます。

この段階でご家族にできることは、なんとか病院に連れていくことだと思いますが、私の場合、ひとり暮らしをしていたので、病気が悪化して入院するまで、病院で適切な治療を受けることはありませんでした。

入院してしばらく経ってからもまだ自分が病気であることを理解できていなかったので、ご家族が統合失調症の患者さんを病院に連れていくということは、相当に難しいことだと感じます。

私の場合、自分が病気であることを理解できたのは、薬を飲んで幻聴が止まり、病院の主治医の先生や看護婦さんによる心理教育を受けてからでした。

ちなみに、主治医の先生や看護婦さんは、私が自分の意思で薬を飲むまで2週間ほど待ってくれたのですが、このことが、主治医の先生や看護婦さんを信頼するきっかけになりました。

もし、無理矢理薬を飲まされたり注射されたりしていたら、薬で幻聴が消えたとしても、自分が病気であることを理解することはできなかったかもしれません。

しかし、患者さんの意思を尊重しようとしても、患者さんがいつまでも薬を飲むことを納得しなかったり、治療の遅れが原因で、病気の予後が悪くなってしまうということも十分ありえます。

患者さんは「自分は病気ではない」と思っていますから、治療を受けさせるためには、基本的にはどこかのタイミングで患者さんの意に反する行動を起こさなければなりません。これはとても難しい問題だと思います。

まずはご家族の方が病院を受診して、病院の専門家の知恵を借りながら慎重に患者さんを病院に連れていく、というのが良いかもしれません。

入院時

母は仕事で忙しく、なかなかお見舞いには来られなかったのですが、やはり母が病院にお見舞いに来てくれるということは心の支えになりました。(お見舞いが母の負担になっていないか心配でした)

入院中、嫌でも病院の環境に馴染まなければならなかったので、少し頻度が少ないくらいでもちょうど良かったのかもしれません。そのぶん、主治医の先生や看護婦さん、他の患者さんとの関係をしっかり築くことができました。

患者さんの性格にもよりますが、入院の頻度は多すぎず、少なすぎず、ちょうど良い頻度が見つかると良いなと思っています。

消耗期

退院してから1年ほど、毎日ほぼ寝たきりの状態が続きました。私の場合、金銭的なことが焦りになっていて、かなりのストレスになっていたのですが、病院で家族向けの心理教育を受けていた母は、とにかく焦らずにゆっくり休むようにと見守ってくれました。振り返れば、そのことが後々の回復につながったと思います。

消耗期には、いかにしっかり休むかが重要になってきます。何も出来なくても、寝ているだけの毎日でも、それが治療です。責められることなくそっと見守ってもらえると患者さんは安心して休養を取ることができます。

ちなみに、私の父はとても高圧的な問題のある人物で、もしそのような親の元に暮らしていたら、きっと今のような回復は有り得なかったと思います。

私の場合は、問題のある家族との関係を断ち切っていたことや病院の専門家による適切な心理教育を親子で受けられたこと、そして母の優しさが、統合失調症からの回復を助けてくれました。

再発時

病気を再発した時、妄想の内容を母に話したのですが、私の話を聞いて悲しそうな顔をする母を見て、直感的に「自分の考えは間違っている、自分は妄想を抱いているのだ」と気付くことができました。

その結果、すぐに主治医の先生にお薬を調整してもらうことができ、再入院はまぬがれました。やはり、家族の力は大きいです。

ご家族の患者さんを想う気持ちは、きっと患者さんに伝わると思います。

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回復後

私は今でも、発病以前の調子で頑張りすぎてしまう癖があるので、母にブレーキをかけてもらえることが、病気と付き合う上でとても役立っています。

患者さんの個性に合わせて、患者さんのことを一番よく知っているご家族に支えてもらうということは、患者さんが病気と共存していく上で何よりの助けになります。そのためには、まず何よりも病気を理解することが大切です。

どんなにご家族のことを想っていても、間違った知識で接して裏目に出てしまっては辛い思いをするばかりです。病院で心理教育を受けられて良かったです。私たち親子を、サポートしてくれた病院の方々には本当に感謝しています。